白沙郷に向かう途中、中正橋の北東側の海面にひっそりと佇む小島が見えます。橋を行き交う車とは対照的な神秘的かつ穏やかな海の孤島が雁情嶼です。
 
 雁情嶼は、かつて黿龍嶼と呼ばれていました。干潮時、島の西側に背骨のような細長い岩脈が現れることから龍の尾と呼ばれ、島の東側は黿（大亀）のように見えることから、黿龍嶼と名付けられました。その他にも、雁浄嶼、雁崢嶼、黿龍嶼、顔靖嶼、目鏡嶼などの別名があります。
 
雁情嶼の面積は0.0069平方キロメートル、海岸線の長さは0.331キロメートル、最高地点は標高14メートルとなっています。地質は主に玄武岩地形で、島の北側と南側の一部には赤色の火山角礫岩と土壌層があります。赤色の岩層は、主に海蝕がもたらす岩石の酸化によるものです。湖西郷中西村に近いため、かつての中西村の住民はサツマイモ栽培のために牛を連れてここにきました。島には堡塁の跡や深い穴が残されています。また、1950年代以前はこの島に国軍が駐屯していました。
 
干潮時に雁情嶼は陸続きの島となり、中正橋の下から周囲に現れた広大な潮間帯を渡れば、この無人島に上陸することができます。しかし、潮汐時間には注意が必要です。満潮後、潮間帯は海水に覆われるため、元来た道は見えなくなります。雁情嶼の玄武岩だけ海面に露出する様子は、美しく神秘的でありながらも孤独で、違った一面が見られます。
【おすすめの滞在時間】 1時間

データ出典：澎湖トラベル