蔡廷蘭進士第

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蔡廷蘭(さい・ていらん)は澎湖出身で唯一の進士です。1801(清の嘉慶6)年に生まれ、13歳で秀才に合格しました。1835(道光15)年、福州省城での郷試を受けた後、金門から船に乗って澎湖へ戻る途中、台風に遭遇し、漂流して安南(現在のベトナム)に流れ着きました。100日以上にわたる陸路の旅を経て、再び船に乗り澎湖に戻りました。この体験をもとに、外国の風土や民俗を紹介する澎湖初の旅行記『海南雑著』を執筆しました。1837(道光17)年には挙人に合格し、1845(道光25)年には進士に高順位で合格しました。
 
進士合格後は、澎湖で初めて外省へ赴任した官僚となり、59歳で在任中に病没しました。進士合格の2年後である1847(道光27)年に故郷の双頭掛(現在の興仁里)に戻り、祖先を祭るため旧宅の隣に「進士第(しんしてい)」を建立しました。完成当時、蔡廷蘭は江西省に在任しており、子孫も多くが他地に移住したため、一族に管理を委ねました。
「蔡廷蘭進士第」の建築形式は一般的な民家と同様ですが、正門や報厦の屋根にのみ燕尾脊(えんびせき)を用い、正堂は三開間・六枚扉の形式で構成されており、官宅としての特別な格式を示しています。外観の形式によって身分の違いが表現されています。建物の敷地面積は約168平方メートル(51坪)で、幅11メートル、奥行15.3メートルの四合院形式で、中庭を囲む伝統的な澎湖住宅です。正面中央には玄武岩製の扁額が掲げられ、「進士第」の三文字が陰刻されています。
【おすすめの滞在時間】 1時間

データ出典:澎湖トラベル
  • 開放時間
  • 09:00~17:00(火曜・水曜定休)
    (人員に限りがあるため、最新の営業時間は公式サイトをご確認ください)
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